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This talk was given at the JAT Tokyo meeting, February 2002.
1. 翻訳の道に入った経緯
日本の自動車会社に26年勤務した後、3年ほど他の会社に勤務していたところ、同じ自動車会社の同僚が先にフリーランスの翻訳家として独立し、彼が毎日忙しくまた生き生きとして翻訳の仕事をして大活躍をしているのを見て、私も彼の後を追いかけてみようと思い、翻訳の道に入る。
今までの会社の仕事は、海外の販売会社や工場を相手とした仕事であったので、英語については、それまで日常的に使っていたこともあり、ある程度自信は持っていた。しかし、英語を使って会社の仕事はできても、他人の書いた文書を英語や日本語に翻訳して代金を受取るような仕事はしたことはないので、自分の日本語や英語が翻訳業界でどれほど通用するものか、また翻訳技術を上げるのにはどうすればよいかといった疑問や不安や問題意識でいっぱいになった。そこで考えついたことは、1年間翻訳の勉強に専念しようということだった。
2.受講した講座の内容
日本実務翻訳学院(東京都新宿区市ヶ谷)
通信教育制「実践演習科経済経営コース」(10ヶ月)
教材:
Handbook of English Writing(Conceptual Communication in English)
数量、日付、時間、場所、方角、距離、比較、頻度、程度、比例、 原因と結果、目的、手段。
Handbook of English Writing(Functional Communication in English)
物の分類・定義、製品の説明方法、製品・サービスの評価、順序、 物の増減、表現の一般化、将来の予測、物体の説明(大きさ、 長さ、形、表面、色、パターン、重さ)。
Handbook of English Writing(Usage and Choice in English)
間違いやすい英語表現(単語)を取り上げ解説。たとえば、ChangeとVaryの違い。
Practical English Writing (Economics and Business)
和文英訳の演習課題(40)、日本文の解釈上の留意点、英語表現の ヒント、そして参考英文(部分訳)、内10問を選択提出。
English for Special Purpose
英文和訳の演習課題(20)、翻訳上の留意点・ヒント、参考訳例(部分訳)、内10問を選択提出。
近くにいて誰か教えてくれるわけでもない。頼れるのは講座申し込み時に送られてきた上記教材を判読し、演習課題に取り組み、レポートを提出し、添削され返却されてくるレポートを見て、修正箇所を中心に再点検し反省する。なお、テキストまたは翻訳全般に関する個別の質問については、10問まで許され解説がついて質問書が返却される。
毎週1回、合計で16回授業を行う。内訳は英文和訳が6回、和文英訳が10回であらかじめ演習課題が配布され毎回受講者3人の答案をベースに教師が添削指導する形で授業を進める。これに加え、選択演習課題(経済、科学、工業、情報処理等)の中から6問選択でき、答案を書いて提出すれば、添削してくれる。
講座の運営方法は上記と同じだが、受講生のレベルがアップするため、内容的にも高度になる。ただし、受講者の平均年齢65歳(1999年当時)。講師の解説を直接聞けるので、通信教育のように文字だけが媒介となる指導に比べると、学習の充実度が増す。実際にクライアントから頼まれた翻訳依頼文を教材にしている。
バベル翻訳外語学院
国際ビジネスの契約書翻訳のための学習講座。教材は代理店契約書の翻訳上のポイントを列挙した小冊子2冊と添削課題集1冊。添削課題は6問あり1問目から順次答案を提出し、添削されて返却される。契約文書の基礎的な翻訳技術を学ぶ。講座内容がやさしすぎ、教材の内容も薄く契約文書になじみのない人にはよいが、多少とも知っている人には物足りない。
教材:
翻訳表現技法(フィクション・ノンフィクション共通篇)
文をまとめる、文からパラグラフへ、文章をまとめる、という分類で翻訳の基礎的技法を簡単に解説し、演習課題を解き、訳例を参照し学習するシステム。
ノンフィクション分野の英文和訳翻訳指導書(演習課題と訳例が中心)3冊。
記述文、論説文、随筆文、ビジネス文書、ジャーナリズム文書などに分野を分けて翻訳上の留意点を解説。
提出課題集
8問を選択。添削され訳例とともに返却される。
3. 評価
通信講座について
仕事の合間を見繕って勉強する場合や、通学の時間がもったいないとか物理的に不可能といった人にはよい。人との対話がないところで勉強を続けるには根気が必要。人に尋ねることができないので、逆に与えられた教材を徹底して勉強しようという動機付けになるし、またそうしなければ勉強の成果が上がらない。したがってこの場合、教材の良し悪しが重要になる。
この点では、日本実務学院のほうがバベルより優れている。翻訳の実務に即しており、具体的であり、わかりやすい。添削指導については、バベルは文章に添削を行うごとに点数にして評価し減点するやり方なので、自分の訳文がどこでどの程度の問題があるのかが数字となって認識できる。実務学院の場合は添削場所ごとには減点せず総合的に評価するので個々の修正箇所の軽重はわからないが、プロから見て自分が書いた訳文がどの程度の位置にあるかを理解できる。
通学講座について
時間的に余裕のある人には、通学講座の方が実効はあがる。自分の疑問点を授業の中で解消できる場合が多い。実務学院の場合、3人の答案の添削内容を解説する形で授業を進める。他人の間違いや改善すべきところが指摘されるのを聞くことにより、他山の石として自分に当てはめて反省することができる。当然講師に質問し指導を仰ぐことができる。通学講座の場合、講師の良し悪しが決め手となる。また、一緒に通学する人とも親しくなれるのも魅力。
4. 講座の選択方法
5. 翻訳学校での学習で期待できることと期待できないこと。