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Updated 2002-08-07
学校に行かなければ、不可能な特許翻訳
講演者: 野崎哲郎

This talk was given at the JAT Tokyo meeting, February 2002.

主題の、「学校が役に立つか」という設問は、「翻訳学校は役に立つか」というふうに聞こえるが、少なくとも、特許文翻訳に関しては、顧客である発注者企業、特許事務所などは、

  1. 技術上の理解力
  2. 語学力
  3. 特許制度に関する知識
の三つを求めている。

しかし、今回は翻訳者への報告(プレゼンテーション)であるから、2.の語学力にフォーカスして述べる。 英語・日本語の知識だけでは訳せない特許文は、その要領さえ体得すれば、比較的訳しやすいが、その要領を学ぶには、学校、特許事務所、発注者企業などの指導が必要である。

たとえば、特許明細書を訳す場合、英語で書かれたものでも、日本語で書かれたものでも、一定の決まった書式、表現方法などがある。特に、発明者がこれだけは主張したい、自分の特許を守りたい、と言う重要な部分は、「特許請求の範囲」と言う項目で書かれるが、これの翻訳は、まず指導を受けなければ語学力だけではどうにもならない。

プレゼンテーション当日はこのあたりを、英文、和文を例示して述べたので、ここでは重複させずに、質疑応答をビデオテープから抜き出して列挙するに留める。

1Q:翻訳学校に行けば、特許翻訳はできるようになるのですか。

2A:行かなければ、できるようにならないと思います。ただし、学校に行くだけで十分かと言うとそうではなく、学校に行った後、翻訳事務所などでまずトライアルを受け、その後添削を受けながら場数を踏まないと、なかなかできるようにならないと思います。学校で成績がある程度良いと、特許事務所のトライアルを受けさせて、積極的に育成するところもあります。優秀な特許翻訳者は少ないですから。

2Q:先ほど、早い特許翻訳者は、1件の特許明細書を3、4日で訳し、10数万円ほどの翻訳料を得るとのことでしたが、1件はどのくらいの字数ですか。

2A:英和訳の場合、英文で5,000ワードから10,000ワードです。

3Q:特許翻訳には技術知識が必要だと言われましたが、どうやって絶えずブラッシュアップしていますか。プラントなど現場で実際にものを見ていますか。例えば、エキスパートの能力を100としますと、翻訳者は6,70%の力が必要だと思いますが。

3A:専門分野については、学校で学んだ以降はシステマティックな勉強をしていません。電子情報通信ハンドブックのCD-ROMを使って、項目から項目にハイパーリンクして、最新の技術をつかんだり、知人、友人に聞いたりします。

いずれにしても、新聞、雑誌などで絶えず新知識にアプローチする必要があります。特許は先進の技術を扱っていますから。

以上

Tokyo Activities