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JAT Bulletin 187, October 2000. September 16 JAT Tokyo Meeting Report
9月16日の東京定例会で、これまでにNPOについて調べたことを発表しました。資料は主として経済企画庁および東京都生活文化局のウェブサイト、および東京都生活文化局発行のNPOガイドブックから入手しました。文章中に赤字で記したのは、特にJATに関係あると考えられる事項です。青字は調査を担当した佐藤(Emily
S2)によるコメントです。
1.WHAT IS NPO?
(特定非営利活動促進法の目的と法人格取得の効果)
近年、福祉、環境、国際協力、まちづくりなど様々な分野において、ボランティア活動をはじめとした民間の非営利団体による社会貢献活動が活発化し、その重要性が認識されているところです。現在、これらの団体の多くは、法人格を持たない任意団体として活動しています。そのため、銀行で口座を開設して預金通帳をつくったり、事務所を借りたり、不動産の登記をしたり、電話を設置するなどの法律行為を行う場合は、団体の名で行うことができず、様々な不都合が生じています。この法律は、これらの団体が法人格を取得する道を開いて、このような不都合を解消し、その活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的としています。
なお、この法律は、平成10年12月1日から施行されています。
2.WHO CAN FORM NPO?
対象団体
この法律に基づいて、特定非営利活動法人になれる団体は、次のような要件を満たすことが必要です。<Note NPOs can have paid directors
but not more than one-third of all the directors. → See
"エ" below.>
ア 特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること
イ 営利を目的としないものであること
ウ 社員(注2)の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと
エ 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること
オ 宗教活動や政治活動を主たる目的とするものでないこと
カ 特定の公職者(候補者を含む)又は政党を推薦、支持、反対することを目的とする
ものでないこと
キ 暴力団でないこと、暴力団又は暴力団員の統制の下にある団体でないこと
ク 10人以上の社員を有するものであること
特定非営利活動の対象となる活動
<Those marked in red
are considered to be within the scope of JAT
activities.>
1 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
2 社会教育の推進を図る活動
3 まちづくりの推進を図る活動
4 文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
5 環境の保全を図る活動
6 災害救援活動
7 地域安全活動
8 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
9 国際協力の活動
10 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
11 子どもの健全育成を図る活動
12 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、
助言又は援助の活動
不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものであること
「社員」は、社団の構成員の意味で、総会で議決権を持つ者がこれに該当します。会社に勤務する人(会社員)という意味ではありません。
<NPOの数>
平成10年12月1日〜平成12年9月1日累計で全国で2476団体が認証を受けています(うち204団体が全国組織として経済企画庁ら)。JATの類似団体としては日本翻訳家協会(JST)が認証を受けています。
3. ADVANTAGES AND OBLIGATIONS
-
NPO法人設立のメリット・義務
(1)メリット
・事務所の賃貸契約や銀行などとの賃貸借契約締結の際に、団体が契約の主体になれる。
・国際協力を行う場合、相手国の信用を得やすくなる。
・法律に定められた運営や情報公開を行うことにより社会的信用が得られる。
・行政や企業からの支援が得やすくなる(イベントへの協賛など)
(2)義務
・法人としての税負担が生じる(東京都の場合、年間7万円くらい?)。
従業員を雇った場合、社会保険や労働保険に加入する義務が出てくる。
・財務や事業の内容、および団体の情報を公開する必要が生じる。
・解散の際に残った資産がある場合、提供した人には戻されず、他の
NPO法人や公益を目的とする法人、あるいは国や自治体などに引き継がれる。
4. APPLICATION PROCEDURE
-
設立の手続き
特定非営利活動法人を設立するためには、法律に定められた書類を添付した申請書を、所轄庁に提出し、設立の認証を受けることが必要です。提出された書類
の一部は、受理した日から2カ月間、公衆に縦覧されることとなります。
所轄庁は、申請書の受理後4カ月以内に認証又は不認証の決定を行います。設立の認証後、登記することにより法人として成立することになります。
法律に定められた書類とは
(Many! ただし簡単に記載できるものもあります)
1.定款 Constitution
(NPO法の規定に基づいて作成します。現行のJAT規約に含まれていない事項もあるため、NPO申請にあたってはこれを作り直す必要があります。<定款>
2.役員名簿 List of directors
(役員の氏名及び住所又は居所を記載した名簿)<Sample
1>
3.各役員の就任承諾書 Statement of
acceptance by the directors:
「私は、特定非営利活動法人
JATの理事に就任することを承諾します」と記載してある書式に各人が署名
4.各役員の住所又は居所を証する書面として条例で定めるもの
(住民票 or 外人登録 or if the director is residing outside
of Japan, an official certificate from that
country:外国語の文章には、翻訳者を明記した日本語の訳文を添付)
5.特定非営利活動促進法第20条各号に該当しないこと及び同法第21条の規定に違反しないことを各役員が誓う旨の
宣誓書の謄本 (Written oath?)
「私は、特定非営利活動促進法第20条各号に該当しないこと及び同法
第21条の規定に違反しないことを誓います。」と記載してある書式に各人が署名
6.役員のうち報酬を受ける者の氏名を記載した書面
(List of paid directors: As stated earlier there is no NEED
to have paid directors.) <Sample 2>
7.社員のうち10人以上の者の氏名及び住所又は居所を記載した書面(
List of 10 or more members - their names and addresses) <Sample 3>
8.特定非営利活動促進法第2条第2項第2号及び第12条第1項第3号に該当することを確認したことを示す書面
(A simple statement of confirmation) <Sample 7>
9.設立趣旨書 (State the reasons for
establishing an NPO)
<Sample 4>
10.設立者名簿 (List of founding members)
<Sample
5>
11.設立についての意志の決定を証する議事録の謄本
(Minute indicating the members' willingness to set up an
NPO)
12. 設立当初の財産目録 (List of assets
at the time of incorporation)
13. 設立当初の事業年度を記載した書面(Financial year)
<Sample
6>
14. 設立の初年及び翌年の事業計画書<Sample 8>
(List of scheduled activities for the first two years)
15. 設立の初年及び翌年の収支予算書
(Budget plan for the first two years)
所轄庁とは
(JURISDICTION)
事務所が所在する都道府県の知事。ただし、2以上の都道府県の区域内に事務所を設置する場合は、経済企画庁長官。
5. MANAGEMENT of NPO - 管理・運営
(1) 役員 法人には、理事3人以上および監事1人以上を置かなければなりません。理事は法人を代表し、その過半数をもって業務を決定します。役員になれる人については、親族の数の制限など法律で一定の制限が設けられています。
(2) 総会 法人は、少なくとも年1回、通常総会を開催しなければなりません。
(3) 収益事業 法人は、特定非営利活動に係る事業に支障がない限り、その収益を特定非営利活動事業に充てるため、収益事業を行うことができます。この場合、収益事業に関する会計を特定非営利活動に係る会計から区分しなければなりません。
(4) 会計原則 法人は、予算に基づき、また、正規の簿記の原則に従って会計簿を記帳するなど、法律の第27条に定められた原則に従い会計処理を行わなければなりません。
(5) 定款変更 定款を変更するためには、所轄庁の認証が必要です。ただし。軽微な事項(所轄庁の変更を伴わない事務所の所在地の変更、資産に関する事項および公告の方法に関する事項)については、所轄庁の認証は不要です。なお、この場合には、定款変更後に所轄庁に届け出ることが必要となります。
(6) 解散・合併 特定非営利活動法人は、総会での議決・所轄庁の認証等の一定の手続きを経て、解散又は別の特定非営利活動法人との合併を行うことができます。法人が解散する場合、残余財産は、定款で定めた者(他の特定非営利活動法人など)に帰属しますが、その定めがない場合は、国又は地方公共団体に譲渡するか、最終的には、国庫に帰属することとなります。
(7) 監督等 所轄庁は、法令違反等一定の場合に、法人に対して、報告を求めたり、検査を実施し、また、場合によっては、改善措置を求めたり、設立認証を取消すこともできます。また、特定非営利活動促進法に違反した場合には、罰則が適用されることがあります。
6. OBLIGATIONS -
法人格取得後の義務等
法人格取得後は、この法律やその他の法令、および定款の定めにしたがって活動しなければなりません。特に次の点に留意すること。
(1) 事業報告書等の情報公開と所轄庁への提出
法人は、毎年(毎事業年度)の事業報告書等(定款、認証・登記に関する書類の写し、事業報告書、財産目録、貸借対照表、収支計算書、役員名簿、役員名簿に記載された者のうち前年において報酬を受けたことがある者全員の名簿、社員のうち10人以上の者の名簿)の書類を、所轄庁に提出するとともに、事務所に備え置いて、利害関係人に閲覧させなければなりません。また、これらの書類は、所轄庁において、一般公開されます。なお、経済企画庁が所轄庁となる法人の場合は、事務所の所在する都道府県においても、公開されることとなります。
(2) 納税
法人に対しては、いろいろな税金が課せられます。詳細については、専門家にご相談ください (← 日本翻訳家協会に問い合わせたところ、基本で9万円くらい課税されるのでは?とのことでした)。
7. COSTS -
申請手続き等の費用について
上記の書類作成を行政書士に依頼するとそれなりの料金がかかりますが、標準料金は特に設定されていないようです。NPO設立初期手数料を調べた範囲でも、定款作成だけなら2万円とか、全部で20万とか、100万とかさまざまでした。
9月19日の午前中、NPO委員会の佐藤綾子とBill LiseがNPO担当課を訪問し、定例会で出た質問などを聞いてきました。
Q:
都庁で発行している特定非営利活動法人設立のための「ガイドブック」に掲載されているもの(団体名義で口座を開設するなど)のほかに、NPOになるメリットはあるか?
A:
メリットは「ガイドブック」に記されている通りである。
Q :総会はどのように開催すればよいか?
A:
必ず1カ所に集まってface-to-faceで行わねばならない。定款の変更、解散、合併の3点については、必ず総会の議決が必要である。また、事業計画や収支決算ならびにその変更についての承認も、総会で得るのが望ましい。役員の選任や解任、職務および報酬については、総会で決定してもしなくてもよい。
Q: 会員が世界各国にいるJATの場合、全員が1カ所に集まって総会を開くのは不可能だが・・・。
A: 全員に議決事項について連絡し、委任状をもらえば問題ない。招集はe-mailでもよいが、委任状は書面とする(ファックスも可。e-mailを受け取ってプリントアウトするのは・・・・ダメとは言われなかった)。定足数については定款に規定を設けねばならないが、1/2である必要はない(かといって1/10ではまずいだろう)。
Q: 理事会もface-to-faceで開かねばならないか?
A:
理事会についてはその必要はない。ビデオ会議などをやっているNPOもある。
Q: NPOとして登記する際には、どの程度の費用がかかるか?
A: 自身で登記するならば費用はかからない。NPO申請にあたっても費用はかからない。登記は「組合等の登記」方法に基づいて行う。会社登記のように、同じ名前での登記(たとえばほかの団体が同一名称の「日本翻訳者協会」と申請しても)を阻止することはできない
Q: NPOでの「監事」の役割は?
A: 理事の業務執行の状況を監査し、NPOの財産の状況を監査し、問題があれば社員総会を招集するか所轄庁に報告する。社員が監事になってもよい(同様に理事も可)。決算報告書の監査は監事が行う。公認会計士による監査は要求されていない。
Q: NPOにおいて「社員」とは、「総会で議決権を持つ者」とのことだが、この社員以外に会員(=議決権を持たない会員)がいるのも可能か?
A: 可能である。
Q:もし、NPOを設立すると決定して、書類が準備できたら、その後の手続きはどうなるか?
A: 書類作成の過程でまた相談したいことがあれば、受け付ける。大丈夫であれば申請し、書類受理の日から4ヶ月以内に都庁は審査して認証・不認証を決定せねばならない。
以上、調査結果をご報告申し上げます。
NPO Committee Chair NPO委員会委員長
Emily Shibata-Sato 佐藤綾子
会合ではこの後、会長のKathy Taji, 会計担当のBob Oliver、WebmasterのSteve Venti が、今後の運営やウェブサイトの管理について報告しました。
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