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JAT Tokyo Meeting
November 11, 2006

 

翻訳業界調査の要約

(社)日本翻訳連盟実施

Translation Industry Survey by Japan Translation Federation

 

 

発表者 高崎栄一郎

Eiichiro Takasaki

 

(社)日本翻訳連盟 もと専務理事

 

CONTENTS

  1. 調査の概要
    1.1 調査の方法
    1.2 調査の対象および回答数
  2. 調査結果のまとめ
    2.1 翻訳会社の数
    2.2 日本の翻訳産業の規模
       FYI 世界の翻訳産業
    2.3 景況感
    2.4 受注単価
    2.5 取扱い分野
    2.6 取扱い言語
    2.7 事務所の所在地
    2.8 翻訳支援ツール
  3. 価格動向 (省略)
  4. 翻訳業界のあるべき姿

1.調査の概要

1.1 調査の方法

アンケート調査(郵送),回答はファクス,Eメール

(1)第1回調査(2004年度)7月‐8月

(2)第2回調査(2005年度)11月‐12月

1.2 調査の対象および回答数

Table 1 アンケート回答数

 

第1回調査

第2回調査

NTTタウンページ記載の翻訳会社等

2,500

 

アンケート発送先

1,950

(法人に限定)1,286

うち有効発送数

1,909

1,220

アンケート回答数

157

JTF会員64社)

137

JTF会員55社)

アンケート回答率

8.2%

11.2%

2. 調査結果のまとめ

2.1 翻訳会社の数

Table 2 日本の翻訳会社の数

翻訳を専業または兼業とする企業(一部個人企業を含む)

1,900社(第1回調査有効発送数)

翻訳を専業または兼業とする法人企業

1,200社(第2回調査有効発送数)

2.2 日本の翻訳産業の規模

(1)日本の翻訳産業は3千億円~4千億円?

(a)第1回調査(2004)

 回答152社の翻訳売上高 260億円(1社平均1.7億円) 1900社で3,200億円

 

(b)第2回調査(2005)

 回答124社の翻訳売上高 237億円(1社平均1.9億円) 1900社で3,600億円

Table 3 翻訳事業売上高

分析 アンケートに回答しなかった翻訳会社の圧倒的多数は,年商5千万円以下の小規模企業のはずだから,この推論は正しくない。

 

Table 3 翻訳事業売上高(2005年度)

翻訳売上高

翻訳売上高合計

分類

企業数

合計(合計)

中央値(百万円)

1千万円未満

14

11.3

max. 140

140

0.6

1千万円~3千万円

18

14.5

180540

360

1.5

3千万円~5千万円

18

14.5

540900

720

3.0

5千万円~1億円

22

17.8

1,1002,200

1,650

7.0

1億円~3億円

35

28.2

3,50010,500

7,000

29.5

3億円~5億円

10

8.1

3,0005,000

4,000

16.9

5億円~10億円

4

3.2

2,0004,000

3,000

12.6

10億円~20億円

1

0.8

1,5002,000

1,750

7.4

20億円以上

2

1.6

actual 5,100

5,100

21.5

合計

124

100.0

17,06030,380

23,720

100.0

売上高無回答

13

 

合計回答数

137

 

 

2)日本の翻訳産業は1千億円強?

 日本の翻訳会社数を1,900社として,1社平均売上高を米国,カナダの翻訳産業に準じて,5,500万円するならば,日本の翻訳産業の規模は1,045億円,大雑把に1千億円強となる。

 

FYI:世界の翻訳産業

a)米国(ABI 1998年)

 3060社(2700社が50万ドル以下。250万ドル以上35社)

 

b)カナダ(CTIST 1998年)4.48億カナダドル(450億円 @100

 804社(80%以上が50万ドル以下、50万ドル以上は30社)

 

c)英国(IT&I 2004年)2007年予想 6.35億ポンド(=1200億円)

 

 

d)中国(Oriental Diligence Translation Service 2003年) 11.7億ドル(=1400億円 @120

 2005年の世界の翻訳産業は127億ドル,その30%がアジア太平洋,その30%が中国

4)社内翻訳の規模

 2003年度における労働者派遣事業の売上高は23614億円。うち通訳・翻訳・速記の派遣労働者数は,全体の0.6%(日本人材派遣協会) 212.5億円

 

2.3 景況感

1)売上高の増減

 Table 4 2004年度の調査でも,2005年度の調査でも,「売上げが増えた」は増加,「売上げが減った」は減少している。2004年に引き続いて,さらにそれに増して翻訳産業をめぐる経済環境が,好転していることを示している。

 

2)受注予測

 Table 5 2005年度では,2004年度の期待感が持続している。

 

Table 4 対前年度売上高の増減

 

2004年度調査

2005年度調査

売上げが増加した

36%

47%

横ばい

32%

32%

減少した

29%

21%

無回答

3%

0%

合計

100%

100%

 

Table 5 今後1, 2年後の受注見通し

 

2004年度調査

2005年度調査

増加するであろう

42%

42%

横ばいであろう

38%

45%

減少するであろう

11%

10%

わからない

9%

3%

合計

100%

100%

 

 

2.4 受注単価

 Table 6 2004年度に続いて2005年度も,「受注単価が下がった」が「上がった」をはるかに上回っている。前項「翻訳売上高および翻訳受注見通し」は,翻訳業界をめぐる経済環境が上向いていることを示しているのに対して,価格下落傾向は何を示しているのであろうか。

 

Table 6 過去1年間の受注単価2004年度の質問は「過去3年間」での単価の変化)

 

2004年度調査

2005年度調査

受注単価が上がった

5%

10%

横ばい

44%

59%

下がった

51%

31%

合計

100%

100%

2.5 取扱い分野

 コンピュータ,科学・工業技術,特許の順位(Figure 1)

Figure 1 翻訳売上高に占める取扱分野の比率(%)


2.6 取扱い言語

 英語が全体の74%(2005)程度であり,その内訳は英日51%,日英が49%(Figure2, Table 7)

Figure 2 翻訳売上高の言語別比率(%)


Table 7 言語別内訳

言語

英語

中国語

ドイツ語

韓国語

フランス語

スペイン語

その他

合計

比率(%)

74.0

6.6

5.5

4.5

3.8

1.3

4.3

100.0

日⇔外国語
比率(%)

英日 51.3
日英 48.7

中日 39.2
日中 60.8

独日 75.0
日独 25.0

韓国 42.6
日韓 57.4

仏日 62.7
日仏 37.3

西日 41.8
日西 58.2

外国語 38.5
外国語 61.5

100.0


2.7 事務所の所在地

 関東地方に70%が集中(Figure 3

 

Figure 3 事務所の所在地(%)


2.8 翻訳支援ツール

 回答137社のうち

翻訳支援ツールを使用している企業                       67

使用していると答えなかった企業                          70

つまり約半数が1種類または複数の翻訳支援ツールを使用している。翻訳支援ツールのうち,第1位がTRADOSTable 7

 

Table 8 翻訳支援ツールの採用状況

ツール名(会社名)

機能

採用社数

TRADOS(トラドス・ジャパン)

TM

59

Transit(シュタール ジャパン)

TM

9

SDLXSDL International

TM

6

PC-Transer(クロスランゲージ)

TM+MT

6

ATLAS(富士通ミドルウェア)

TM+MT

6

The翻訳(東芝ソリューション)

TM+MT

5

SST(カンバス)

映像字幕専用ソフト

4

TraTool(ロゼッタ)

TM

3

LogoVista(ロゴヴィスタ)

TM+MT

3

TransAssist(インターメディア)

TM

2

翻訳JET(高電社)

TM

2

対訳君(MCL

TM 機能付き辞書検索ソフト

2

Babylon(アルテックエーディーエス)

辞書検索ソフト

1

Just Right!(ジャストシステム)

文章校正ソフト

1

その他

 

8

合計

 

117


注記:TM = 翻訳メモリ,MT = 機械翻訳ソフト, TM+MT = 翻訳メモリ付き機械翻訳ソフト

 

 

3.価格動向

(省略)


4.翻訳業界のあるべき姿《価格の改善をはかるために》

 

    クライアントへのお願い

             訳予算削減は,枝葉末端

                            レートの曲線(8020の法則)

             札なら,前提条件を整備していただきたい

                            札書類(bid package

                            前審査(PQ

    訳会社が心がけるべきこと

             質と価格の関係の明確化(ISO9000シリーズ)

             積ではなく提案を(値段だけではなく,アイディアによる差別化)

             社の名前とともに翻訳者の名前を

 

 

Discussion: 翻訳料金,現状で良いのか?

 

《景気回復期と国民生活》

 

いざなぎ景気

65/1170/7

バブル

86/1291/2

今回

02/2~)

可処分所得(勤労者世帯)

6.0万円→10.4万円

(+74%)

38.0万円→46.4万円

(+22%

44.5万円→45.3万円

+1.6%

正社員

 

(統計なし)

3383万人→3639万人

+7.5%

3489万人→3374万人

(-3.3%)

非正社員

 

(統計なし)

673万人→897万人

+33%

1451万人→1633万人

+13%

法人企業の経常利益

1.9兆円→6.5兆円

3.4)

21兆円→33.6兆円

1.6倍)

28.2兆円→44.7兆円

1.6倍)


朝日新聞 06年3月29日


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